争族事例(1) 面倒を見てきたのにどうして・・・

これまで、さまざまなケースの相続のお手伝いをしてきたので、揉めてしまった相続、いわゆる「争族」もたくさん経験してきました。

今回はその中のひとつの事例をご紹介します。

皆さまの身近にも起こるかもしれない争族。

どんな状況で争族になり、最終的にはどうなってしまったのか。

よろしければ参考になさってください。

 

口約束は信用できない!親を支援して同居していたのに・・・

相談時の状況

ご家族構成は、父母と長男・長女・二男・二女の6人家族

二男家族が父母と同居して、父母の生活を10年以上、物心両面で支え、生活費はもちろん、固定資産税や健康保険料なども二男が支払っていました。

そんななか、父親が平成〇〇年に亡くなりました。

父の相続財産の内訳

父親の財産は、二男と同居している自宅の土地建物(時価額2500万円)と預貯金500万円

遺産分けの話し合いの経過と結果

二男が実家にいて面倒をみてくれているのだから、将来は二男がすべて相続してもらって構わないが、

今回はとりあえず「母親がすべて相続」することにして、母親が亡くなったら、その時に二男が相続する前提で、遺産分割協議書に全員がハンコを押した。

二男はこのときに口約束だけでは不安に感じたので、忘れないように覚書でも書いてもらおうかと思っていたが、

兄である長男から「オレがちゃんと覚えているから大丈夫」との話しがあったので、ここでこれ以上は何もしなかった。

父親の相続から5年後、母親が亡くなる

このときの相続人は、長男・長女・二男・二女の4人です。

母の相続財産の内訳

母の財産は、父から相続した土地建物(時価額2300万円)と預貯金700万円

遺産分けの話し合いの経過と結果

二男は、父の相続のときの約束をもちろん忘れていません。

「二男がすべての財産を相続する」内容の遺産分割協議書を作成して、四十九日のときに書類を見せる予定で段取りを進めていました

四十九日の法要が終わって落ち着いたときに、二男は遺産分割協議書の話しを持ち出しました。ところが、いざ話しをしてみると、兄の態度は一変。

相続人全員で法定相続分どおりに相続するのが当然だ、と考えが変わっていました。

父親が亡くなったときの話しを持ち出してみたが、兄にはまったく受け入れてもらえません。

相続財産の額は合計で3000万円ですから、法定相続割合で計算すると、相続人一人あたりの相続額は750万円にもなります。

全部を二男が相続して、相続する預金に50万円をプラスして、この750万円を代償金として兄に支払うことも提案したが、

今度は、姉の長女と妹の二女から「なぜ兄だけに支払うのか」となってしまい、二男は選択肢がなくなってしまいました。

二男は、遺産分割の調停手続きも考えましたが、これ以上きょうだいが険悪になるのは本意ではないと考え、調停などの手続きはせずに、法定相続割合で相続することに合意しました。

結果的には、すべての財産を法定相続割合で相続することになり、実家の不動産も売却してお金に換え、売却代金を法定相続分どおりに分けることになってしまった。

これによって、二男は住んでいた自宅を出ていく結果になる。

しかも、遺産の「預金700万円」は、二男家族が生活費を負担していたので減らなかった分も数百万円含まれていると考えられますから、二男にとっては踏んだり蹴ったりの結果となってしまいました。

どんな対策が必要だったのでしょうか?

父親の相続のときに、母親名義にせずに二男が相続すべきだったのですが、その話しを持ち出してうまくいったかどうかはわかりません。

きょうだい、特に兄は「問題の先送り」をしたかっただけなのかもしれません。

その前提で考えると、母親が相続した時点で母親を説得して、次のいずれかを対策してもらえれば結果は違いました。

1.二男に財産の全部を相続させる、という遺言書を作ってもらう
※ 遺言書に「どうしてこのようにしたのか」の母親のメッセージを添えることが大事

2.母の生活の面倒みるという条件付きで不動産を生前贈与してもらい、預金についても暦年贈与をつかって110万円ずつ贈与してもらう

これら以外にも対策の方法はありますが、1及び2はスタンダードな方法で、実行しやすいのではないかと考えられます。

ただし、遺言書にしろ生前贈与にしろ、遺留分の問題は避けてとおれません。

きょうだい一人あたりの遺留分は375万円ですから、3人から請求されることを考えれば1125万円になります。

このうち700万円は相続した預金を充てるとすると、残り425万円の資金を準備しておく必要があるでしょう。

これについては、母親の年齢的が契約的に問題なければ、生命保険に加入して対策をしておくことも検討すべきでしょう。

ここがポイント

きょうだい間の口約束ほど当てにならないものであることを肝に銘じておきましよう。

きょうだいそれぞれに経済状態が違います。

一次相続(父親の相続)のときにはなかった事情、例えば家を建てたとか、子どもが大学に行くことになったとか、そういった事情で急にお金が必要になることもあります。

そして、きょうだいの配偶者の存在もあなどれません。

親の想いとしては「みんな仲良く」が一番になるのですが、子供たちの貢献度合いもしっかり考えてあげてください。


今回は、争族の事例 について書かせていただきましたが、いかがでしたか?

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