生前贈与

生前贈与とは

死亡するより前に相続人等に財産をあらかじめ渡しておくのが生前贈与です。主に相続税対策の一つとして行われています。

ただし、生前贈与では、相続税より税率が高い贈与税がかかります。

また、実際に相続が発生した場合には、生前贈与の持戻し(生前贈与した財産も相続財産に含める)の問題なども想定されます。

ですから、生前贈与を行いたい場合には、贈与税だけでなく相続までトータルにアドバイスできる相続の専門家に相談することが大切です。

生前贈与で注意すべき5つのポイント

生前贈与を行う際の注意点として、次の5つのポイントをしっかり押さえておきましょう。

1.贈与税と相続税の節税額の分岐点を確認しておくこと

2.生前贈与が遺産分割トラブルの引き金にならないよう注意すること

3.贈与契約書を作成すること。(可能なら公証人役場で確定日付を取っておく)

4.相続開始前3年以内の相続人に対する贈与は相続財産として加算されることを確認すること

5.生前贈与にはデメリットもあるので、どんなデメリットがあるのかを理解しておくこと

◆そもそも贈与とは?

贈与は、贈与する人(贈与者)の「あげる」という意思表示と、贈与を受ける人(受贈者)の「もらう」という合意があって成立する「契約」です。

贈与の契約は、口約束だけでも成立しますが、当事者以外の他人(税務署など)に「これは贈与ですよ」と証明するために、贈与をするときは贈与契約書を作成します。

 

◆暦年贈与と贈与税

贈与と聞いて真っ先に思い浮かぶのが「贈与税」

贈与税は個人から財産を贈与された場合に、財産をもらった人にかかる税金です。

ただし、受贈者1人につき年間に110万円までの贈与は非課税です。

贈与税はこの110万円という非課税枠を超えた額があれば、その額に税金がかかりますので、申告をしなければなりません。(非課税枠の範囲内であれば申告は不要です。)

この非課税枠(基礎控除額)を利用して、毎年申告・納税する贈与を「暦年贈与」といいます。

贈与税の申告は、もらった翌年の2月1日~3月15日までの間に申告書を提出し納税しなければなりません。

もし期限を過ぎても必要な申告や納税をしなかった場合には、無申告加算税や延滞税の対象になることもありますので注意が必要です。

 

◆配偶者控除と贈与税

生前贈与を活用した節税対策には、110万円の基礎控除を最大限利用することのほかに、配偶者控除を利用する方法があります。

条件は、婚姻期間20年以上の配偶者からの贈与であることと、居住用不動産、または居住用不動産を取得するための金銭の贈与であること。

2000万円(基礎控除を含めると2110万円)まで、非課税で贈与ができます。

ただし、税申告の手続きは必要です。

相続税は、基礎控除(3000万円+法定相続人数×600万円)や、配偶者の税額軽減(1億6千万円または配偶者の法定相続分相当額)などの措置があり、かなり多額の遺産総額の見込みがないと発生しないので、生前贈与が税制上効果を生むケースはごく少数といえるかもしれません。

 

◆相続時精算課税と贈与税

相続時精算課税制度は、60歳以上の父母または祖父母から、20歳以上の推定相続人である「子」または「孫」に、財産を生前贈与する場合に、2500万円までは贈与税がかからない、という制度です。

相続時精算課税制度は、誰でも利用できるわけではありません。いくつかの条件を満たした人が利用できることになっています。

財産をもらう人(受贈者)の条件

贈与された年の1月1日現在において20歳以上の1.または2.の者

1.贈与者(財産をあげる人)の直系卑属(子や孫)である推定相続人

2.贈与者の孫

※「直系卑属である推定相続人」とは、贈与をした日現在において、その贈与をした人の相続人になるであろう子や代襲相続人である孫などのことです。

財産をあげる人(贈与者)の条件

贈与者は贈与をした年の1月1日現在において60歳以上の1.または2.の者

1.父母

2.祖父母

※この制度は、父・母・祖父・祖母それぞれ別々に適用できるので、父からの贈与も祖父からの贈与も相続時精算課税を適用できます。つまり、父と祖父それぞれからの贈与に適用できるので「2,500万円×2人=5,000万円」の贈与を無税で受けることもできます。

 

◆相続時精算課税制度の適用を受けるためには、

財産をもらった人(受贈者)が、財産をもらった年の「翌年2月1日から3月15日」までの間に、所轄の税務署に「相続時精算課税選択届」と「贈与税の申告書」を提出する必要があります。

2500万円の範囲内での贈与で、贈与税がかからない場合であっても申告は必要です。

この手続きを期限内にしないと、通常の税率で贈与税がかかりますので注意しましょう。

なお、相続時精算課税を選択あとに、その後も同じ人から贈与される場合には、その贈与の都度、贈与のあった年の翌年に相続時精算課税の申告を行う必要があります。

相続時精算課税の制度は、かならずしも相続税対策になるわけではない上に、一度選択してしまうと暦年課税に戻れないなど、さまざまな注意点があります。

この制度を利用される際は事前に専門家と相談の上利用してください。

 

◆資産状況の把握が重要です!

相続対策として生前贈与を活用するには、まず資産状況の把握が必要です。

一度財産の試算を行い、生前対策の必要性を明確にしていただくことをおすすめします。

また、生前贈与には、税金の問題だけでなく、遺留分の問題もありますので、思い付きで贈与せずに、専門家と相談しながら「自分と家族に合った贈与」を行うことをお勧めします。

※遺留分とは、一定の相続人に保証されている「少なくともこの割合は相続できる」という相続分の最低限の割合です。相続開始1年以内の贈与は遺留分の対象になります。

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