相続人調査とは?出生から死亡までの戸籍の集め方と手続きの流れをわかりやすく解説

こんにちは。行政書士のときたです。

最近、「銀行で戸籍が足りないと言われた」というご相談が続いています。窓口で突然言われると、何をどう準備すればいいか、頭が真っ白になりますよね。

この記事では、その「足りない戸籍」が何なのかを、順を追って説明します。

📋 この記事でわかること

  • 相続手続きで「出生から死亡までの戸籍」が必要な法的な理由
  • 戸籍謄本・除籍謄本・改製原戸籍の違いと収集の順番
  • 遠方の役所への郵送請求の方法と必要書類
  • 戸籍収集でつまずきやすいケースと対処のヒント
  • 行政書士に依頼した場合にできること・できないこと

なぜ「出生まで遡る戸籍」が必要なの?

銀行の預貯金解約や不動産の名義変更を進めようとすると、必ずと言っていいほど求められるのが「被相続人(亡くなった方)の出生から死亡までの連続した戸籍」です。

「家族構成はわかっているのに、なぜ古い書類まで…」と感じる方も多いと思います。

・法的に相続人を「確定」させる必要がある

民法では、相続人の範囲が明確に定められています。配偶者・子・父母・兄弟姉妹など、誰が相続人になるかは法律で決まっており、銀行や法務局は「申告された家族構成」をそのまま信用することができません。

戸籍によって客観的に証明する必要があるのです。

・ご家族が知らない相続人がいる可能性がある

認知した子・前婚の子・養子縁組など、現在の家族が把握していないケースは実際に存在します。「うちにはそういう事情はない」と思っていても、戸籍で確認して初めて判明することがあります。

だからこそ、出生まで一本につながった戸籍で「他に相続人がいないこと」を証明する必要があるのです。戸籍・関係図イメージ

戸籍の種類と「連続した戸籍」の意味

戸籍は転籍・法改正のたびに分かれます。「現在の戸籍1通」では出生まで遡れないことがほとんどです。

収集が必要な戸籍には、大きく3種類あります。

書類名 内容
戸籍謄本(現在戸籍) 現在有効な戸籍の写し
除籍謄本 全員が除籍(死亡・転籍など)された戸籍
改製原戸籍(かいせいげんこせき) 法改正で様式変更される前の古い戸籍

たとえば、亡くなった方がA市で生まれ → B市に転籍 → C市で亡くなった場合、3つの異なる役所に戸籍が分散しています。それぞれの役所に別々に請求しなければ、「連続した戸籍」は揃いません。

実際にどう集める?戸籍収集の手順

・STEP1 死亡時の本籍地から請求をスタートする

まず、亡くなった方の死亡時の本籍地がある市区町村に「除籍謄本」を請求します。

「本籍地」は住民票(本籍記載あり)や、以前取得した戸籍謄本で確認できます。住所と本籍地は異なる場合があるので、混同しないよう気をつけてください。

・STEP2 取得した戸籍に記載された「前の本籍地」を辿る

取得した戸籍には、以前の本籍地や転籍の記録が記載されています。その情報をもとに、次の役所へ請求します。

「出生の記載がある戸籍」に辿り着くまで、この作業を繰り返します。

・STEP3 遠方の役所には郵送請求を活用する

本籍地が遠方にある場合は、郵送で請求することが可能です。一般的に必要なものは以下のとおりです。

  • 請求書(各自治体のHPからダウンロード)
  • 請求者の本人確認書類のコピー
  • 被相続人との関係がわかる書類(戸籍謄本など)
  • 定額小為替(手数料分)
  • 返信用封筒(切手貼付)

※書式・手数料・必要書類は自治体によって異なります。事前に各役所のHPか電話で確認しておくと安心です。

戸籍収集でつまずきやすいのはどんなケース?

・転籍回数が多いと、請求先も増える

亡くなった方が生前に何度も引っ越し・転籍を繰り返していた場合、戸籍が多くの役所に分散します。通数が10通を超えることも珍しくありません。

・古い戸籍は手書きで読み解くのが難しい

明治・大正・昭和初期の戸籍は旧字体の手書きが多く、内容の解読だけでも相当な時間がかかります。「文字が読めない」「意味がわからない」という状況は、手続きを進める上で大きな障壁になります。

・戸籍が廃棄・焼失しているケースもある

戦災や経年劣化で一部の戸籍が残っていない場合、市区町村が発行する「廃棄証明書」や「不存在証明書」を代わりに取得することになります。この場合、金融機関や法務局との事前確認が必要になることがあります。

📁 ケーススタディ

Aさんの父は80代で他界。生まれは九州、戦後に関東へ転籍し、その後も2回転居していました。

集めた戸籍は合計6通。うち2通は手書きの旧字体で、内容の確認だけで数時間かかりました。

高齢の被相続人ほど戸籍の通数が多く、内容も複雑になる傾向があります。早めに着手することで、手続き全体のスケジュールに余裕が生まれます。

行政書士に依頼すると何が変わる?

・職務上請求で、代理取得ができる

行政書士は「職務上請求」という制度を使い、依頼者に代わって戸籍を収集することができます。郵送のやり取りや役所への問い合わせも含めて代行できるため、遠方の役所への請求も一括して任せることが可能です。

・相続関係説明図の作成まで対応できる

収集した戸籍をもとに「相続関係説明図」(相続人の関係を一覧化した図)を作成し、銀行や法務局への提出書類もまとめて整えることができます。ご自身で集めた戸籍を持ち込んで、説明図の作成だけを依頼することも可能です。

・不動産の名義変更(相続登記)は司法書士の業務です

相続登記(不動産の名義変更)は、司法書士の専門業務です。行政書士は戸籍収集・相続関係説明図の作成・遺産分割協議書の作成まで対応できますが、登記申請の代理は司法書士に依頼する必要があります。

手続きの内容によって、どの専門家に相談するかが変わります。迷う場合は、まず相談してみてください。

まとめ|戸籍収集は「順番」と「早めの着手」がカギ

「出生から死亡までの連続した戸籍」の収集は、相続手続きの出発点です。難しそうに見えますが、死亡時の本籍地から順に遡っていくという手順を押さえれば、一つひとつは対応できる作業です。

ただ、転籍回数が多い・本籍地が遠方・古い戸籍で解読が困難、といった状況が重なると、想定以上の時間がかかることがあります。

「自分でやってみたが途中で止まってしまった」という場合でも、途中から専門家に引き継ぐことは可能です。

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