遺言書の記載事例(2)

遺言書の作成にあたって、個別の財産一つ一つについて行き先を決めて、

① 自宅の土地建物は妻
② 賃貸アパートは長男
③ 定期預金は長女

などと指定する方法もありますが、

「遺産の全体に対して割合を決める」という遺言も作れます。

一切の財産を相続させる場合記載例

第〇条
遺言者は、遺言者が所有する一切の財産を、妻花子 (昭和〇〇年〇〇月〇〇日生)に相続させる。

この内容で、遺言する人が持っている財産の全部を、特定の相続人にすべて相続させることができます。

ただしこれは、財産目録を作るなどをしておいてください。そうしなければ、どんな財産がどこにあって、どこまでで財産の全部になるのか分かりません。

金融機関であればどこの銀行でどこの支店なのか、どの証券会社にお願いしているのか(できれば担当者なども分かるようにしておくと手続きの際に相談しやすくなると思います。)などの情報を整理しておくことが大切です。

割合を決めて相続させる場合の記載例

第〇条
遺言者は、遺言者の所有する一切の財産を、次の割合で各相続人に相続させる。

妻  花子 (昭和〇〇年〇〇月〇〇日生) 4分の1
長男 一郎 (昭和〇〇年〇〇月〇〇日生) 4分の1
長女 一子 (昭和〇〇年〇〇月〇〇日生) 4分の1
二男 二郎(昭和〇〇年〇〇月〇〇日生)  4分の1

相続財産の全部について、各相続人が取得する割合だけを決めて作成することもできます。

このような場合には、誰がどの財産を具体的に取得するのかについて定められていません。

したがって、相続手続きをするためには、遺産分割協議を行って誰がどの財産をどのくらい相続するか確定させることになります。(この際、遺産分割協議書を作成します。)

なお、遺言書で割合を指定する場合でも、法定相続分どおりにする必要はありません。

主な財産は妻に、残りを長男に相続させる場合の記載例

遺言者は、遺言者の所有する下記の不動産及び預金債権を妻花子(昭和〇〇年〇〇月〇〇日生)に相続させる。

1.不動産
①土地
所 在  仙台市宮城野区〇〇町〇〇丁目
地 番  1番1
地 目  宅地
地 積  〇〇.〇〇平方メートル
②建物
所 在  仙台市宮城野区〇〇町〇〇丁目 1番地1
家屋番号 1番1
種 類  居宅
構 造  木造瓦葺2階建
床面積  1階 〇〇.〇〇平方メートル
2階 〇〇.〇〇平方メートル
2、預貯金
① ゆうちょ銀行 通常貯金 記号番号〇〇〇〇-〇〇〇〇〇〇〇
② ゆうちょ銀行 定額貯金 記号番号〇〇〇〇-〇〇〇〇〇〇〇
③ 〇〇銀行〇〇支店 普通預金 口座番号〇〇〇〇〇〇〇

第〇条
遺言者は、前条に記載する財産を除く、遺言者の所有するすべての預貯金その他一切の財産を、長男一郎(昭和〇〇年〇〇月〇〇日生)に相続させる。

不動産は、登記簿を確認して、正確に記載するようにしましょう。

遺言書は、遺言者の自由な意思によって作成することができますので、自分の考えのもとに、どの財産をどのような割合で渡すのか、などといったことも自由に残すことができます。

ただし、やはりここでも注意していただきたいのは 遺留分 についてです。

可能な限り遺留分に配慮した遺言書を作成することをお勧めします。


今回は、遺言書で割合を決めて記載する場合の文例 について書かせていただきましたが、いかがでしたか?

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